焼き鈍し用ソルトは、一般的に、処理する部品の脱炭および酸化を防止するために、添加剤と組み合せて使用されます。処理温度が高くなるとリスクは大幅に増大します。動作モードによって、添加剤は2つのグループに分けられます。
シアン化物を含まない添加剤は、酸素を含む化合物と結合して、溶融液中の酸素成分を不活性化するため、最大1100℃の温度まで使用可能です。
もうひとつの添加剤は、溶融液中で浸炭活性を確保します。この浸炭活性は、加えられる添加剤の濃度と、使用するベースソルトによって決まります。
処理時間が短いため、溶融液中の浸炭活性は鋼の炭素含有量に対して大きく異なってもよく、狭い範囲内に維持する必要もありません。溶融液中の浸炭活性が低い場合には、無脱炭硬化にはDUROFER™ プロセスも適しています(「浸炭および浸炭窒化」参照)
製品 | 用途 | 使用温度 (°C) |
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GS 230 | 300 °Cを超える温度での焼き戻しおよび焼き入れ用 | 270 – 600 |
GS 430 | AS 浴で処理することができない鋼の焼き戻し、冷却または焼き入れ用 | 500 – 700 |
GS 520 | GS 430熱浴用の補充用ソルト | |
GS 540 | 再加熱および焼き鈍し用 | 600 – 950 |
GS 560 | 銀、金および真ちゅうの焼き鈍し用 (バリウム含まず) | 600 – 850 |
GS 660 | 非鉄金属および鋼の焼き鈍し用 (非毒性ソルト) | 750 – 900 |
GS 670 | 再加熱および焼き鈍し用 | 750 – 1000 |
GS 750 | 再加熱および焼き鈍し用 | 850 – 1100 |
GS 960 | 再加熱および焼き鈍し用 | 1050 – 1250 |
製品 | 用途 |
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R 2 | GS 430、GS 540、GS 670、GS 750との組み合わせで、脱炭および酸化防止用 |
R 3 | GS 660との組み合わせで、脱炭および酸化防止用 (非毒性添加剤) |
製品 | 用途 |
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C 1 | 焼き鈍し用塩GS 540、GS 560、GS 660 およびGS 670のための脱炭および酸化防止用 (C 3 の炭素含有量が望ましくない場合に使用) |
C 3 | 焼き鈍し用塩GS 540、GS 560、GS 660 およびGS 670のための脱炭および酸化防止用 (浴のカバーを形成するための活性炭を含む) |