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熱化学 – 窒化処理

HEF グループは、熱化学処理分野における50年以上の経験に支えられ、液体イオン軟窒化分野でのグローバルリーダーの地位を占めています。

ARCOR®、TENIFER®、TUFFTRIDE®、MELONITE®、NUTRIDE® あるいはQPQ® の名称でHEF グループが特許を取得し、商品化しているさまざまな処理法は、「液体イオン制御窒化」を意味するCLINという総称で呼ばれています。

CLIN処理ならびに関連する産業設備は、環境保護および技術的な様々な制約事項をクリアしてきており、その用途は、グループの事業分野において拡大し続けています。

これらの処理は、主として、鉄合金(鋼、鋳鉄、ステンレス鋼等)を対象としており、500°C~630°Cの温度で行われます。

CLIN 軟窒化処理は、様々な表面反応によって、固体の金属合金に、溶融塩に含まれている窒素および炭素の原子を移すことを目的としています。

鋼へ窒素を移した後、明確に区別される 2 つの相が得られます。

• 鉄窒化物(主に Ɛ(エプシロン)タイプのものですが、ϒ’(ガンマプライム)タイプのものもあります)と合金元素の窒化物の層。これは、「化合物層」と呼ばれ、表面が多孔質であることを特徴としています。
• 化合物層の下側の拡散層。この拡散層内には、鉄(または合金元素)の原子の間に窒素が固体形状で存在します。

すなわち、表面から硬度勾配と圧縮応力勾配が得られます。これは、特に耐摩耗性および耐疲労性を向上させるものです。

化合物層の厚みと拡散深さは、部材の種類ならびに実施する CLIN プロセスによって変わり、化合物層については約0~30 µm 、拡散については、10分の数ミリメートルに達する場合があります。

窒化処理に加えて、次の段階として、酸化浴槽を使って多孔質層表面に酸化物 Fe3O4(マグネタイト)を生成する不動態化処理、最終仕上げとして、表面に乾いた触感を与えつつ、多孔質層を埋める有機タイプの防錆液含侵処理が行われます。これらの処理によって、優れた耐食性(大気、アルカリや酸性雰囲気)が得られます。

耐食性を測る塩水噴霧試験では、シンプルな形状部品では700 時間を超え、より複雑な形状部品では一般的に400 時間に達することができます。

表面粗さについての特殊な要求がある場合(例として、ポリマーやエラストマーに対する摩擦)、処理後の研磨プロセスが必要となります。これを、QP またはQPQタイプのプロセスと呼びます。